許認可申請の種類と取得の流れを解説|飲食店開業を例に5ステップでわかる基本フレーム

こんにちは、クローバーです。
新しい事業を始めようとするとき、多くの人がぶつかるのが「許可って、どう取るの?」という壁です。 
保健所?役所?警察?…と、どこに何を聞けばいいのか分からず、気づけば開業日が迫っている――そんな経験はありませんか?

この記事では、飲食店の開業を例に取りながら、どんな許認可申請にも応用できる“基本の進め方”をご紹介します。
あくまで理解しやすくなるために、簡単なフレームワークとしてお伝えしますので、この概要を理解した後に、必ず、取得したい許認可の手引きを読み、内容を理解するようにしましょう。

許認可申請の基礎知識

「ビジネスを始めるためにはお役所から許可が必要」と言われていますが、実際は、“許可”と一概にいっても、実際は「許可」「認可」「届出」に分けられます。
では、許可、認可、届出の違いは何なのでしょうか。

  • 許可
    • 意味 原則禁止の行為を、特定の条件を満たした場合に認めるもの
    • 許可が必要なビジネス 飲食業、建設業、宿泊業、運送業
  • 認可
    • 意味 法律行為の効果を完成させるために行政から承認を得ること
    • 許可が必要なビジネス 保育園
  • 届出
    • 意味 法令で定められた事業内容を行政に通知する手続き
    • 許可が必要なビジネス 美容業

その他のビジネスに関しては、ブログ「開業前に必ずチェック!許認可が必要な業種と申請先」をご覧になって確認してください。

飲食業を例にしたプロセス紹介

たとえば「カフェを開きたい」と思い立った場合、必要な許認可は「飲食店営業許可」です。
しかし、必要なのは申請書の提出だけではありません。許可取得までには、明確な準備と計画が必要です。
ここでは、飲食業における許認可取得の典型的な流れを、3つのステップで整理してみましょう。

  1. 要件把握(例:保健所の衛生基準、設備要件)
  2. 計画作成(開店日から逆算した準備)
  3. 実行(設備設置、研修、申請、検査など)

STEP1 要件を把握する

まずは、営業所がある地域の管轄の保健所や自治体のサイトで要件を確認します。
たとえば、飲食店の場合は以下のような要件が示されることが多いです:

  • 調理場・客席・手洗いなど、設備のレイアウト基準
  • 食品衛生責任者の設置(要資格)
  • 建物構造や換気、照明などの仕様要件
  • 関係法令の確認(例:消防法)

つまり、「どのような設備・人材を整えればよいか」を事前に把握しておかないと、工事後にNGが出てやり直し…という事態にもつながります。

また、飲食店のように「火気を使用する設備(ガスコンロ・グリル等)」を備える施設では、消防法に基づく届出や設備設置義務も忘れてはなりません。これは営業許可の手続きとは別で、主に地元の消防署が窓口となります。
たとえば、「防火対象物使用開始届出書」や「火を使用する設備等の設置届出書」などは、原則として店舗使用開始の7日前までに提出が必要です。また、収容人数が30名を超える場合には、防火管理者の選任と消防計画の策定も求められます。

内装や厨房設計にも影響があるため、工事着手前に所管の消防署へ相談し、必要な届出や装備の確認をしておくと安心です。消防対応の失念は、開業の延期や追加工事につながることもあるため、「要件の把握」は法令横断的に行う姿勢が大切になります。

STEP2 計画を立てる

要件が分かったら、逆算で準備スケジュールを立てます。
たとえば:

  • 開業希望日から逆算して「保健所の事前相談」→「内装工事」→「検査予約」→「申請」→「許可交付」までの流れをシミュレーション
  • 内装・設備業者と図面段階でのすり合わせ(設備要件に違反しない設計に)

要件の把握が済んだら、具体的なスケジュール設計と業者とのすり合わせに進みます。
注意したいのは、設備要件や厨房設計が保健所や消防法の基準に合致していないと、開業時期がずれ込むリスクがある点です。
工務店や設計士に相談する際には「営業許可基準」や「防火対策」を前提に図面を確認してもらいましょう。(余裕があるならば、図面作成後に開業したい区域の保健所等で事前に相談しておくと、大きな問題がなく準備を進められます。)
また、検査予約に空きがない場合もあるため、日程には余裕を持って組むことが重要です。開業日から逆算し、「完成予定」「申請提出日」「検査希望日」「届出期限」などを表に書き出しておくと、抜け漏れが防げます。必要に応じて、消防署と保健所の両方に工程を説明し、並行して相談を進めると安心です。

STEP3 申請・検査・取得

必要な設備が整ったら、以下のような流れで許可を取得します。
たとえば:

  • 必要書類を作成し、保健所等に申請
  • 実地検査(担当者が現場を確認)
  • 許可の交付 → 消防法による届出→営業開始へ

設備や体制が整ったら、いよいよ申請フェーズです。ここで大切なのは、
“各書類が最新の書式で記載され、漏れなく準備されていること”
管轄ごとに書式が異なる場合があるため、必ず最新の手引きを確認しましょう。

検査当日は、必要な標識や衛生器具が整っているかがチェックされます。
検査後は、不備がなければ許可が交付されます。
交付後は、営業許可証を掲示し、消防法に関する届出も提出したり、消防計画や非常口の表示などを最終確認して、ようやく“オープン準備完了”です。

業種を問わず応用できる“共通パターン”

飲食業に限らず、大まかな許可取得に関する流れは次の5ステップです。
そのうえで、以下の観点で進めるとスムーズです。

  1. 管轄機関がどこかを調べる
  2. 要件をToDo化する
  3. 専門家を巻き込むか検討
  4. 相談しながら進める
  5. 許可取得 → 開業へ!

①管轄機関がどこかを調べる

例:保健所、都道府県庁、市区役所、警察署など。

許認可ごとに申請先が異なるため、まずはどの行政機関が所管しているのかを確認することが出発点です。
たとえば、飲食業なら「保健所」、運送業なら「運輸支局」、風俗営業であれば「警察署」、介護事業であれば「都道府県庁の福祉保健部門」など、管轄が省庁単位から市区町村まで幅広く存在します。

誤って別の機関に問い合わせてしまい、何日もロスしてしまう…という声も少なくありません。「許可の名前」で検索するよりも、「○○業+申請先」など具体的なキーワードを意識して調べると、早くたどり着けます。

②要件をToDo化する

公表されている「手引き」やチェックリストをもとに、自社に必要な設備・書類・人員をタスク単位に落とし込む作業がとても大切です。

これにより、漠然とした「準備が必要」という印象が、具体的なToDoに変換され、関係者にも共有しやすくなります。 たとえば、保育事業では「保育室の面積要件」「1歳児○人あたり×人の保育士配置義務」などが定められており、これらを満たすには人員配置計画や施設図面を早期に作成しておく必要があります。

③専門家を巻き込むか検討

制度の読み解きや申請書類の整備には、多くの時間と専門的知識を要するため、行政書士・社労士・建築士などの専門家を活用する判断も重要です。

特に、建設業許可や社会福祉法人設立のように、法律や政令、省令まで絡む分野では、書類の形式・表現ひとつで再提出になることも。
「依頼費用をかけずに自力でやってみたけど、結局は専門家に二度手間で依頼した」というケースも多いため、どこまで自社で対応するかを、最初に線引きしておくと効率的です。

④相談しながら進める

提出前に相談を受け付けている許認可も多く、「とにかく作ってから出す」よりも「早い段階で仮案を持って相談する」方がスムーズに進みます。

特に制度改正直後や、新設された許認可では、担当者が個別の解釈を持っていることもあるため、早期に疑問点を潰しておくことが肝心です。

まずは、「相談窓口があるかどうか」を調べておくと安心です。
また、申請前に「相談受付」が手続きとして必要な場合があります。必ず問い合わせて、最新の要件や書類様式を確認しましょう。

⑤許可取得 → 開業へ!

許可証が交付されたら、「やっと営業開始!」となりますが、忘れてはいけないのが掲示義務や遵守義務の確認です。
許可証の見やすい場所への掲示、標識(保健所標示や介護保険事業者番号)など、開業後の表示義務があるものもあります。

また、許認可によっては「定期更新」「実績報告」「更新研修」など、取得後に継続して行う義務が課されている場合も。開業時に、その後のスケジュールも見越しておくと、健全な運営に繋がります。

申請ミスや時間ロスを防ぐコツ

  • 開業希望日から必ず逆算する

    許可が出るまで1か月かかることもあるので、余裕をもった計画づくりをする。
  • 自治体の“手引き”は最新版を確認

    過去のPDFをブックマークしていた…という落とし穴が多発することもあります。最新の情報をもとに準備を進めてください。
  • 必要書類が異なる場合がある

    都道府県や自治体によって、申請書の形式が異なる場合があります。開業したい地域の手引きや申請書を使って申請をしてください。
  • 「相談できる人」をあらかじめ探しておく

    許可取得経験のある経営者、商工会、行政書士など頼れる専門家や経験者とのコネクションを作っておくと、開業準備だけでなく、開業後にもノウハウや相談もできて有益です。
  • 記録を残しておく

    進行記録・問い合わせメモが、今後の事業展開や別店舗展開時にも役立ちますので、なるべく、見える形で情報を残しておきましょう。

まとめ:許認可は“手間より設計”がカギ

許可申請は「書類を出すだけの作業」ではなく、事業の成否を左右する設計プロセスの一部です。

  • 要件を知る
  • 準備する
  • 相談する
  • 取得する

このシンプルなフレームに沿って、戦略的に許認可と向き合えば、“開業直前のドタバタ”も最小限にできます。

許認可の手続きは「書類を出す」だけでなく、事前準備や情報収集が大切です。
もし「この内容、自分でできるか不安…」と感じる方がいらっしゃれば、お気軽にページ下部の問い合わせボタンからご相談ください。
状況にあわせた確認方法や、必要な準備の考え方などを一緒に整理することも可能です。

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