【無料】東京都の強度行動障害支援者養成研修とは?対象・申込方法を詳しく解説

こんにちは、クローバーです。今回は、障害者の虐待防止の外部研修に関して2回シリーズの1回目として強度行動障害支援者養成研修についてをお届けします。

強度行動障害は、障害特性の理解に基づく適切な支援を行うことにより、強度行動障害が低減し、安定した日常生活を送ることができることが知られています。
ただ、障害福祉事業所側の対応に不信感によって家族からサービスの利用を中断したり、障害者本人の行動を理由に事業所側からサービスの利用を中断する場合があります。

具体例として、障害者本人の意思を尊重したサービスをしたくても、様々な理由によりスタッフが身体拘束をしなければならない事態が発生した場合です。障害者本人、家族、ひいてはスタッフの全員が精神的なダメージを受けてしまい、誤解を解消できなかった結果、サービスの利用を中止するケースも少なくありません。

強度行動障害の方々の特性や対処法を理解することで、「現場で起きてから慌てる」のではなく、「起きる前に備えられる」支援体制の礎を築けます。また、これは同時に、虐待防止にもつながります。

これからお伝えする研修の情報を、スタッフの皆様のスキルアップとサービスの質の向上、障害者ご本人の満足度の向上にご活用ください。

強度行動障害の現状

障害の定義

「自分の体を叩いたり食べられないものを口に入れる、危険につながる飛び出しなど本人の健康を損ねる行動、他人を叩いたり物を壊す、大泣きが何時間も続くなど周囲の人のくらしに影響を及ぼす行動が、著しく高い頻度で起こるため、特別に配慮された支援が必要になっている状態のこと」です。

また、強度行動障害を有する障害児は、知的障害が比較的重度の状態であるとともに、自閉スペクトラム症の特徴も比較的強い状態であり、 障害特性に応じた生活環境や関わり方が提供されないことで生活に困ったり強いストレスを受けることがあります。また、障害特性によって意思疎通が難しい場合も多く、周囲も何にストレスを感じているのか理解することが難しい場合も多いと言われています。そのような状態が積み重なった結果、不適切な行動が出現し固定化することで強度行動障害の状態になると言われています。

資料引用元:厚生労働省「強度行動障害を有する児者への支援に係る報酬・基準について」(R5.10.23)https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001159436.pdf

人数

障害福祉サービス・障害児支援において、強度行動障害関連の支援や加算の対象となっている人数は、令和4年 10 月時点でのべ 78,579 人です。
(引用:強度行動障害を有する児者への支援に係る報酬・基準について)

受けている障害福祉サービス

強度行動障害のある方が利用している主なサービスには以下があります。またそれぞれのサービスで強度行動障害に関する加算が適用されています。

強度行動障害を理解することによって得られる現場でのメリット

障害福祉の現場でこの特性を理解することには、以下のようなメリットがあります:

  • 支援の質が向上する
    行動の背景にある「伝えられない不安」や「環境とのミスマッチ」を理解することで、適切な対応が可能になります。
  • トラブルの予防につながる
    障害者本人、ご家族、その他の第三者との誤解や不適切な対応による混乱や事故を減らすことができます。
  • 支援者の負担軽減
    一貫した支援方針がチーム内で共有されることで、スタッフのストレスや疲弊を防止できます。
  • 本人の尊厳を守る
    行動を「問題」としてではなく「表現」として捉えることで、本人の意思や尊厳を尊重した支援が可能になります。

このような背景をふまえ、東京都では「強度行動障害支援者養成研修」を通じて支援の質を高める取り組みが行われています。次章では、その研修制度について詳しく見ていきましょう。

強度行動障害支援者養成研修について(東京都)

強度行動障害の研修について東京都の研修の情報をもとに解説します。
※もし、他の道府県の方がお読みの場合は、各道府県庁の研修情報を確認してください。

<研修に関するホームページ>
強度行動障害支援者養成研修について(東京都福祉局)
強度行動障害支援者養成研修(研修委託先:公益財団法人東京都福祉保健財団)

特徴

共通の特徴として、以下のことがあげられます。

  • 基礎研修と実践研修の2種類がある。
  • 研修は無料である。(※交通費などは実費負担です)
  • 講義形式は、動画講義(実践研修のみライブによるオンラインもあり)と集合研修がある。

基礎研修の概要

※2025年の研修概要をもとにしています。募集はすでに終了していますので、来年4月前後くらいに最新の情報を確認してください。
【参考情報】2025年強度行動障害支援者養成研修(基礎研修)募集要項

対象者

①から③のいずれかに該当し、研修の全過程に参加可能な方

  1. 東京都内の障害福祉サービス事業所等において、現に強度行動障害の状態にある者(児)を支援対象とした業務に従事している者、若しくは今後従事する予定のある者
  2. 東京都内の障害福祉サービス事業所等の連携医療機関等において治療等に当たる医療従事者
  3. 東京都内に所在する特別支援学校の教師等

申込期間

2025年4月9日(水)~2025年4月28日(月)午後5時まで
→申込の可否は担当者宛てに6月中旬頃の郵送を予定

申込方法

指定のホームページから申し込む必要があります。
※障害福祉サービス事業所のスタッフの場合、事業所単位での取りまとめが必要です。(同一事業所内に複数の申込者がいる場合は、推薦順位順に受講者情報を入力する必要があるため。)

受講期間

※引用元:令和7年度東京都強度行動障害支援者養成研修(基礎研修)研修日程一覧

カリキュラム

令和7年度東京都強度行動障害支援者養成研修(基礎研修)カリキュラムhttps://www.fukushizaidan.jp/wp-content/uploads/2025/04/R7kisobessi2-curriculum.pdf

実践研修の概要

※2025年の研修概要をもとにしています。募集はすでに終了していますので、来年5月前後くらいに最新の情報を確認してください。

対象者

「強度行動障害支援者養成研修(基礎研修)」を修了した方(修了見込みを含む)で、次の① から③のいずれかに該当し、研修の全過程に参加可能な方

  1. 東京都内の障害福祉サービス事業所等において、現に強度行動障害の状態にある者(児)(知的障害、精神障害のある者(児))を支援対象とした業務に従事している者又は今後従事する予定のある者で、支援計画の作成等を担う方(サービス提供責任者・サービス管理責任者等)
  2. 東京都内の障害福祉サービス事業所等の連携医療機関等において治療等に当たる医療従事者
  3. 東京都内に所在する特別支援学校の教師等

申込期間

2025年6月12日(木)~2025年7月2日(水)午後5時まで
→申込の可否は担当者宛てに8月中旬頃の郵送を予定

申込方法

指定のホームページからの申し込み手続きを要します。また、障害福祉サービス事業所等従事者や医療機関等従事者は、各施設からの推薦が必要で、個人での申し込みができません。

その他注意事項は、「ウェブ研修申込方法について」をご参照ください。

申込に必要な書類

強度行動障害支援者養成研修(基礎研修)修了証書の写し
※1MB以下の画像データ(jpeg、gif、 PDF 等)にする必要がある。

受講期間

(※1) 定められた受講コースによって、①または②のいずれか1日だけ受講すればよい

※引用元:令和7年度東京都強度行動障害支援者養成研修(実践研修)日程一覧

カリキュラム

令和7年度東京都強度行動障害支援者養成研修(実践研修)カリキュラム

「受講して終わり」ではなく、「現場に活かす研修」にするにはどうすればよいか——そんな視点を持つことで、研修は組織の支援力向上に直結します。

さいごに

今回は、東京都で実施している強度行動障害支援者養成研修について研修制度の概要をお伝えしました。
スタッフの方々も業務に忙しく、なかなか研修に時間を割くことが大変だったり、面倒に感じるかもしれません。しかし、ここで勉強した内容を事業所内で共有すると、結果として他のスタッフの知識やスキルの向上につながり、全体的な業務負担の軽減が叶うかもしれません。
また、ご家族に必要な情報を提供や連携ができ、ご家族の皆様との信頼関係強化につながる効果もあるでしょう。
さらに、障害者本人の感じ方や過ごし方が変わることで、不適切な行動の軽減につながることも期待できます。

支援のための学びは、現場を変えるだけでなく、そこで生きる人々の未来を変えていきます。そんな力が、この一歩にはあると信じています。

< ブログ >

Blog

PAGE TOP