外部研修で終わらせない!虐待防止を根づかせる内製研修のつくり方
こんにちは、クローバーです。
今回は、障害者福祉施設における「研修の内製化」についてご紹介します。
外部研修は重要な学びの機会ですが、すべての職員が受講するには時間的・人員的な制約があります。また、受講後の知識や技術が施設のなかに定着しなければ、外部から取り入れた知見本来の価値を十分に発揮することもできません。
今回は、外部研修で得た知見を「自施設の力」として取り込む方法として、内部研修の構築と展開について解説していきます。
目次
内部研修とは?その意義と可能性
内部研修とは、外部の講師や団体に依存せず、施設内で自ら研修を企画・実施する仕組みを指します。これは単なるコスト削減ではなく、以下のような意義があります:
- 施設の文化や課題に合った内容に調整できる
- OJT(現場教育)との連携で、実践力を高められる
- 共通言語や価値観をチームで醸成できる
一方で、内製化は属人的になりやすいです。そのため、知識の共有化を評価制度に盛り込み、振り返りの仕組みとセットで運用することが大切です。加えて、中長期的な研修プログラムを持つことで、年次別・職位別の人材育成計画にも連動させることが可能になります。
さらに、知識をインプットするだけでなく、“行動を変える”研修設計を意識することで、学びの効果が広く波及し、効果も深いものとなります。
虐待防止の研修プログラムの内容
事例として、社会福祉法人 全国社会福祉協議会の「障害者虐待防止の研修のためのガイドブック」を基に、経験年数や役割に応じたプログラム案を考えました。このプログラム構成だと以下のポイントがあります。
- 理解が深まりやすくなるよう「概念→事例→実践→内省」という流れで全体を構成。
- 「誰がどのテーマを深く学ぶか(職位・役割別)」をすると、役割に応じた必要なスキルに焦点を当てられ、研修のプログラムが組み立て易くなる
- 地域連携やネットワーク形成などは、施設全体で取り組むべき内容は、全職員を対象とした。

プログラム構成

研修プログラム構成・設計の考え方
内部研修を成功させるためには、施設の全体像と人材構成を踏まえた研修マップを描くことが有効です。マップを作成する際の構成のポイントは次のとおりです。
構成のポイント
- 階層別の設計:新任者/中堅/管理職など、立場に応じて習得すべき内容を段階的に設定
- 法定研修×現場課題型研修の融合:虐待防止、身体拘束廃止などの制度研修と、実際の現場課題を織り交ぜる
- 導入→実践→振り返りといった学習の流れを設計する
- 人事評価や面談と連動して、研修成果を可視化し定着させる
年間を通じて「誰に・いつ・何を学ばせるか」を明文化し、共有できるスケジュール表としてまとめておくと、職員の学習意欲や管理のしやすさが向上します。
研修を設計する際のポイントと工夫
内容のほか、研修を効果的にするためのポイントは、「研修の形態」「効果測定」「実践に落とし込むための工夫」の3つがあります。以下、詳しく解説します。
研修形態の使い分け
- 動画研修(オンデマンド):業務に支障を出さず受講しやすい、基礎知識の平準化に◎
- 集合研修(対面・オンライン):対話を通じた価値観共有、ロールプレイや事例検討に向いている
可能であれば、動画研修と集合研修の両方を組み合わせたハイブリッド型としてプログラムの構成を考えると、研修の効率と対話のバランスが取れます。
効果測定の方法
受講後アンケートだけでなく、行動宣言など行動変容の視点を取り入れましょう。
- 「研修内容を活かして〇〇を実行した」「○○ができる」「○○する」といった宣言を研修の最後に取り入れる。
- 振り返り面談や業務日誌に記載する、定例ミーティングで情報共有するなど、通常業務の延長上で状況を把握できる仕組みとすると、効果測定がしやすくなる。
実践への落とし込み
その他、実践への落とし込みの方法として以下の方法が考えられます。
- マニュアルや手順書への反映
- 1日1アクションへの落とし込み(「尊厳を守る」→「利用者の話を復唱する」など)
- 研修→実践→フィードバックのループ構築
- ケース事例の記録と共有会(ピアラーニング)
- グループウェアを使った“気づき”共有
まとめ 学びを“文化”にするために
研修とは「受けさせるもの」ではなく、「チームで共に考え、深めていく機会」です。
そしてその中心には、内製研修=現場に根ざした学びの仕組みがあると言えるでしょう。
今後、より現場に即した研修を行うためには、研修マニュアルの整備や振り返り様式の導入といったツールも検討が必要です。これについては、次回の記事でご紹介したいと思います!
💡 次の一歩のために
本記事でご紹介した内容は、以下のような視点とも組み合わせると、より効果的な内製研修が実現できます。
📌 評価制度や方針との接続
📌 研修目的を「できる」「実行する」行動単位に明確化
📌 モチベーションを高める階層別・キャリア別設計
📌 多様な研修形態(集合/動画)の選択肢
📌 ナレッジの蓄積と共有(事例集、アーカイブ、OJT連携)
