法人の内部規程7選と導入ポイント|設立初期に整えるべきルールを目的別に解説
こんにちは、クローバーです。
「法人を設立したけど、定款以外に何を整えるべき?」
そんな疑問を持つ方は少なくありません。
日々の業務や職員とのやりとり、個人情報やハラスメント対応など、 “実際に動かす”法人運営には「内部規程」が必要です。
この記事では、検索されやすく実務にも役立つ内部規程を7つ厳選してご紹介します。
「何から整えればいいの?」という視点で優先順位や導入のポイントもあわせて解説します。
目次
内部規程とは?定款との違い
法人設立にあたっての定款の検討すべきポイントに関して、以前の記事でご紹介しました。
定款とその他の内部規程の違いは何でしょうか。
- 定款:会社そのものの基礎・骨格について定めた規程。
- 内部規程:日々の運用ルールについて定めた規程
定款だけではカバーしきれない“日々の運用ルール”を整えるには、どのような内部規程が必要なのでしょうか。ここでは、法人設立直後に整備しておきたい代表的な規程を目的別にご紹介します。
法人設立してすぐに必要となる内部規程7選

それぞれの規程には、どんな内容を定めたほうが良いでしょうか。
情報セキュリティ規程
目的
企業の情報資産(顧客情報、業務データなど)を保護し、漏洩・改ざん・不正アクセスを防止するためのルール。
主な内容
- 情報の分類と管理方法(機密・社外秘など)
- アクセス制御、パスワード管理
- インシデント対応手順
- 社員教育と定期的な見直し
個人情報保護規程
目的
個人情報保護法に基づき、顧客や従業員の個人情報を適切に取り扱うための指針。
主な内容
- 利用目的の明示と本人同意の取得
- 安全管理措置(漏洩・紛失防止)
- 委託先管理と第三者提供の制限
- 開示・訂正・削除の対応手順
決裁規程
目的
社内の意思決定や支出に関する承認手続きを明確化し、責任の所在を明らかにする。
主な内容
- 決裁権限の範囲(役職ごとの上限金額など)
- 稟議書・決裁書のフロー
- 緊急時の特例措置
- 電子決裁の運用ルール
利益相反管理規程
目的
役職員の私的利益と会社の利益が衝突しないように管理し、公正な業務運営を確保する。
主な内容
- 利益相反の定義と具体例(親族取引、兼業など)
- 申告義務と審査手続き
- 利害関係者の排除措置
- 定期的なモニタリング
テレワーク勤務規程
目的
在宅勤務やサテライト勤務などの柔軟な働き方を制度化し、業務効率と労務管理を両立させることができる。
主な内容
- 対象者と申請手続き
- 勤務時間・報告方法
- 情報セキュリティ対策(VPN、端末管理)
- 費用負担(通信費・備品など)
ハラスメント防止規程
目的
職場におけるパワハラ・セクハラ・マタハラ等を防止し、安心して働ける環境を整備する。
主な内容
- ハラスメントの定義と禁止事項
- 相談・通報窓口の設置
- 調査・是正措置の手順
- 再発防止のための教育
出張旅費規程
目的
出張にかかる費用の精算ルールを明確にし、適正な経費処理を行う。
主な内容
- 支給対象(交通費、宿泊費、日当など)
- 精算方法と提出期限
- グレード(新幹線の指定席可否など)
- 海外出張時の為替レートや保険対応
内部規程を整備するタイミングと優先順位
規程を作るのも大きな手間です。創業間もない会社では、人員が少なく営業活動に注力する必要もあり、「規程を検討・作成する暇もない」というのが経営者の皆様の正直な本音でしょう。
そのため、組織の拡大や、必要となるタイミングで規程をつくることが一番効率的です。では、検討するタイミングは具体的にどんな場合でしょうか。
事業を開始した時
取引上、法人や個人情報を収集する場合は、創業時から個人情報や情報セキュリティに関する規程を作成し、それに基づく業務運用をしていると信頼度も向上します。
従業員を採用した時
経費、労務に関する規程は、従業員の採用時に作成すると、雇われた従業員も安心して働くことができるだけでなく、不正防止にもつながります。
また、従業員の階層が多段階になった際は、すべてのビジネスマターを把握することが難しくなってきます。
そのため、予めどんな出来事を、どのようなタイミングで上司の意見を仰ぐべきか明らかにしておくと経営者の皆様も安心して部下に業務を任せることができます。
認証・取得時(例:Pマーク、ISMS、えるぼし認定、くるみん認定、IPO時)
特定の認証を取得する場合は、規程の有無や運用実績が認証取得の可否かかわる場合があります。これらの認証取得をするタイミングで、規程の作成や、刷新を検討しましょう。
代表的な認証は以下のとおりです。
労務系に関しては、顧問契約を締結やお知り合いの社労士に作成依頼や相談すると会社の実情にも即した適切な内容にしていただけるので、お勧めです。

規程作成の進め方と導入のステップ
ステップは主に5つです。詳細は以下の通りです。
ステップ1 自社における運用のニーズを把握
どんな規程の内容にすべきか、担当部署や、規程をよく利用すると思われる方とよく話し合いましょう。
この過程を外すと、規程の運用が始まってから、反論やクレームなども起きるかもしれません。
そういった運用後のリスクを最小限にするためにも、意見を広く聞く機会を設けるよう努めましょう。
ステップ2 参考事例収集
インターネットからの情報収集、専門家に相談など事例に関する情報を収集しましょう。特に専門家は、事例を活かした提案もしてくれるかもしれません。一人で抱え込まずに、専門家に相談する勇気や行動力で草案に活かす情報を収集しましょう。
ステップ3 草案作成
ニーズや事例をもとに、自社にあった規程を作成しましょう。法令やコンプライアンスに従うこと、安定した業務運用に繋がるルールであることは必要不可欠な要素ですが、ルールが形骸化しては規程を作る意味がありません。自社が守れる内容であることも頭に置きながら作成しましょう。
ステップ4 確認・承認
規程を運用する前に、キーマンとなる方からフィードバックをもらいましょう。反対意見も聞くのは、少し気持ちがなえるかもしれません。草案をより実効性あるものとして磨き上げるためとして、臆することなくその反対意見の趣旨や、意見にあった方策も併せて聞くようにしてみましょう。
ステップ5 周知
規程が効力をもっても、理解をし、規程に従った行動をしてもらわないといけません。できる限り、マニュアルや、FAQ、質問窓口の明確にして、正しく規程を運用してもらえるな状況を構築しましょう。
参考になるテンプレート・ひな形の探し方
内部規程の作成にあたっては、各種団体や専門機関が提供するテンプレートを活用するのも有効です。たとえば、JIPDEC(プライバシーマーク運営団体)やISOマネジメント研究所、社労士会などが公開している雛形を参考にすると、実務に即した文案が得られます。
まとめ
今回は、社内規程に関する体制構築の一つである内部規程に関してお届けしました。
内部のことは後回しにしがちですが、出来る時に、出来る範囲で少しずつルールを定める気持ちで取り組むのがベターだと思います。
労務関係は経験豊富な社労士さんに相談すれば、実例を踏まえた規程集を提示してもらえる可能性もあります。専門家をうまく利用しながら、持続性高い企業基盤を構築していきましょう。
次回は、許認可の取得を要する業種を事例に、どのような体制・ルールづくりをすればいいのかお伝えします。次回もお楽しみに。
