放課後等デイの先にある自立訓練|18歳からの選択肢|4-LeafClover
放課後等デイサービスの先にある自立訓練― 18歳からの選択肢を、どう用意するか
「放課後等デイサービスで18歳まで支えてきた子が、学校を卒業する」その先も、同じ法人で支え続けられるだろうか—自立訓練(生活訓練)は、その問いへの一つの答えになり得ます。当事務所のシリーズでは、自立訓練と他サービスの組み合わせをいくつか扱ってきました。就労継続支援B型との組み合わせが「生活を整える→働く」という支援の段階でつながるもの、グループホームとの組み合わせが「日中と住まい」という生活の場面でつながるものだとすれば、放課後等デイサービスとの関係は、「子どもから大人へ」という年齢の時間軸でつながるものです。
18歳という線引きの前で、立ち止まる人もいる
放課後等デイサービスは、学校に通う子どものためのサービスです。
特別支援学校の高等部高等部を卒業すれば、そこで放課後等デイサービスにおいても区切りがつきます。この「18歳の壁」は、よく語られる問題です。
ただ、語られ方の多くは、ご家族の目線——居場所がなくなる、親の就労が難しくなる、という文脈です。
事業者の側から見ると、また違う景色が見えます。卒業後の行き先として世の中で想定されているのは、多くの場合、生活介護か就労系のサービスです。
けれど、すべての方が、この2つのサービスが最適かどうかには疑問があります。成長の過程や障害の程度や内容は人それぞれで、18歳になったからといって、次のステージの準備が整っているとは限らないからです。
「生活介護か就労系のサービスのどちらかにつながらない」という方は、実際にはそう多くないのかもしれません。それでも、選択肢が限られているからこそ「行き先がない」という実態が生まれている面はあると思います。障害のある方が歩む道の選択肢は、多いほうがいい。その選択肢の一つとして、自立訓練も1つの選択肢であることを示していただきたいのです。
いきなりB型ではなく、自立訓練でステップを踏むという選択
就労継続支援B型に進めるなら、それは望ましいステップの一つです。ただ、そんなにすんなりいく方ばかりではありません。B型に無理やり当てはめるのではなく、その前に生活を整える段階を置く—自立訓練は、そのための選択肢になるのではないでしょうか。
自立訓練でステップが妥当だというひとつの判断軸として、集団生活への適応や、環境の変化への耐性という観点があります。 知的障害の度合いが高い方や、精神障害の症状が強い方の中には、環境の変化そのものが大きな負担となる場合があります。
そのような方には、社会生活の概念を理解したり、大人の障害福祉サービスに慣れるための「クッション」として、自立訓練が選択肢として挙げられるのではないでしょうか。
一方で、集団生活や変化への耐性がある程度備わっている場合は、18歳になったらB型で「働く」という概念に触れることが、自己実現や成長につながりやすいと考えられます。 この違いが、進路を分ける際のひとつの目安になります。
学校と、大人の福祉施設は、世界観が大きく違う
卒業後の移行が難しくなる理由は、サービスの種類の違いだけではありません。より根本的には、「場の世界観の違い」があります。
特別支援学校は法律上、「障害による学習上または生活上の困難を克服し、将来の自立と社会参加を図るために必要な知識や技能を授けること」を目的としています。 端的に言えば、子どもの成長を見守り、社会参加に必要な力を育むことが軸になっています。
一方で、大人の通所系障害福祉サービスでは、社会性の発揮や社会参加の継続が前面に出てきます。 同じ「通う場所」であっても、そこで期待される役割や、提供される支援の性質は大きく異なります。 この差は、障害のある方やその家族にとって非常に大きな影響を与えます。
特に、変化への耐性が弱い方ほど、この落差につまずきやすい傾向があります。 だからこそ、子どもの頃からその方を知っている職員が、同じ法人の中で継続して関われることには大きな意味があります。 「知っている人がいる」「これまでの経緯を理解してくれている」—それだけで、移行時の変化は緩やかになります。
年齢の時間軸で支援が続くというのは、まさにそのような価値を指しているのだと思います。
放課後等デイサービスと生活訓練を組み合わせた現実 ― 組み合わせても、運営は効率化しない
ここは正直にお伝えします。放課後等デイサービスと自立訓練を併せ持っても、運営が効率化されることはありません。
両サービスともに、障害者総合支援法に基づきますが、放課後等デイサービスは児童福祉法も根拠法として含まれており、根拠の軸や視点が若干異なります。職員に求められる要件も別です。
よって、「職員や空間を共有して効率化する、という発想は仕組み上、現実的ではありません。それぞれ別の事業として、別個に用意する」そう考えるのが適切な判断です。
運営の効率化はできなくとも、組み合わせる意義はあるのか
同じ法人で年齢の時間軸を越えて支えることには、確かな良さがあります。 同じ理念のもとで、子どものころから大人になるまで切れ目なく支援が続くことは、ご本人にとってもご家族にとっても大きな安心につながるでしょう。
ただし、それが「一貫した支援」なのか「囲い込み」なのかを分けるものは、利用者に選択の余地があるかどうかです。
18歳という節目に、ほかの進路もきちんと提示したうえで、ご本人とご家族が自法人の自立訓練を選ぶのであれば、それは一貫した支援といえます。 一方で、卒業生が自動的に自法人へ流れる仕組みになっているのであれば、それは自法人の利益を優先した「囲い込み」となってしまいます。 年齢の節目は、障害のあるご本人が自分の道を選ぶ大切な機会です。 その機会が適切に守られることを、心から願っています。
東京都府中市・4-LeafClover行政書士事務所の見解
年齢で区切るということ自体が、本来は乱暴なことだと私は思っています。
人の成長のスピードは、もともとまちまちです。まして、得意なことと不得意なことの落差が大きい状況にある方にとって、「18歳になったから」という一律の線引きが、その方の準備が整った時期と重なるとは限りません。
制度である以上、どこかに線を引かなければならないことは理解しています。
それでも、その線の上で立ち止まってしまう方がいることは、制度設計の課題として残り続けるのだと思います。だからこそ、着実に一歩一歩あゆめる環境を、事業者の側が形づくる意味があります。
放課後等デイサービスと自立訓練を併せ持っても、運営が効率化されることはありません。人員も、空間も、根拠となる法律も別だからです。
けれど、効率化はできなくとも、そこにニーズは確かにあると思います。効率では測れないところに、この組み合わせの価値があるのだと考えています。
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